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永久脱毛の定義とは?毛が生えてこなくなる仕組み(原理)を紹介

永久脱毛の定義とは?毛が生えてこなくなる仕組み(原理)を紹介

公開日:2022年03月14日 更新日:2024年04月10日

永久脱毛の定義とは?毛が生えてこなくなる仕組み(原理)を紹介

巷には、メンズ脱毛に関する情報があふれています。どれも魅力的に見えるかもしれませんが、逆にどの脱毛法を選ぶのが最善なのか、迷ってしまう方がおられるかもしれません。また、脱毛治療に興味があるものの本当に永久的に生えてこないのか、毛が生えなくなる仕組みについて疑問に持たれる方も多いことでしょう。
実は永久脱毛は「生涯にわたって毛が生えてこない」というわけではありません。その定義について知ることで過度な期待を持つことなく、満足度の高い脱毛治療を受けられるでしょう。

この記事では、多くの脱毛法の中でも最も効果が高く人気のある永久脱毛に焦点を絞り解説します。
この記事を読むことで、永久脱毛の定義、永久脱毛の達成に必要なこと、脱毛の原理について理解でき、下記のような疑問や悩みを解決します。

こんな事がわかる

  • 永久脱毛とは
  • アメリカ食品医薬品局が定める永久脱毛の定義
  • 脱毛施術の原理
  • ニードル脱毛とレーザー脱毛の違い
  • 永久脱毛のために必要な脱毛機
  • 効果的な脱毛の施術間隔
  • 必要な脱毛の回数

永久脱毛とは・永久脱毛の定義

永久脱毛と聞くと、全ての毛が抜けてしまい、生涯にわたり再び毛が生えてこないことをイメージする方がおられるかもしれません。しかし、実際はそうではありません。永久脱毛は、必ずしも治療部位の毛をすべてなくすことを意味するものではないのです。
アメリカの厚生労働省ともいえる、アメリカ食品医薬品局(Food and Drug Administration: FDA)は、永久脱毛を「数回の施術を受けた後、再び生えてくる毛の数を長期的かつ安定的に減少させること」と定義しています。
つまりアメリカの定義に従うと、永久である必要はなく、完全に毛がなくなる必要もないということになります。
このFDAが永久脱毛を提供することができると認可しているのが、電気を用いたニードル脱毛です。そして、この電気を用いた永久脱毛を行う専門職の方々の集まりであるアメリカ電気協会(American Electrology Association)では、「最後に行った脱毛の施術から1か月後に、再生する毛が20%以下であること」と、比較的クリアに定義しています。
日本の脱毛クリニックでは、もっと厳格な定義を用いて施術をしている可能性はありますが、いずれにしても永久脱毛では永遠に毛がなくなることを意味しているわけではないことは、知っておきましょう。

脱毛の原理

それでは次に、永久脱毛ができる原理についてご説明します。
わたしたちの毛は、皮下に存在する毛髪組織から作り出され成長します。もう少し詳しく説明すると、毛が生えてくるためには毛根部の毛乳頭、毛母組織、バルジ領域という3つの組織が役割を果たしています。
永久脱毛に利用するレーザー脱毛機やニードル脱毛機は、施術を加えるときに、再び毛を作り出すことがないように、この毛乳頭や毛母細胞にダメージを与えています。
例えばニードル脱毛では、一本ずつの毛根に電気刺激を加え、毛母細胞を破壊することで効果を発揮しています。また最もよく利用されるレーザー脱毛では、黒褐色のメラニン色素に吸収される熱を発する種々の医療レーザーを使い、メラニン色素の周囲に存在する毛乳頭や毛母細胞、あるいはバルジ領域を破壊することで、毛が生えない状態を作り出しているのです。

永久脱毛の達成に必要なこと

それでは次に、永久脱毛を達成するために必要なことを3つご紹介します。

永久脱毛に利用する脱毛機

はじめに、利用する脱毛機が重要です。
永久脱毛を達成するためには、十分なエネルギーで発毛組織を破壊する必要があります。不十分なエネルギーでは、再び毛髪が生成されてしまいますので、再び生えてくる毛の数を長期的かつ安定的に減少させることはできなくなります。
一般的に医療機関で使用する医療レーザーやニードル脱毛の脱毛機器であれば、問題はありません。逆に脱毛サロンで提供される脱毛クリームや光脱毛の機器は、残念ながら永久脱毛の目的は達成できません。
人体の組織を破壊するほどのエネルギーを発しますので、医療レーザーやニードル脱毛の脱毛機は医療機器に相当します。したがって扱うためには専門的な知識が必要ですし、トラブルが発生したときに責任を持って対応できる体制も必要です。そのためには、専門資格を持つ医師や看護師が対応することが求められます。
医師や看護師のような医療従事者が対応することが困難なサロンや家庭で利用する脱毛機は、トラブルが発生しない程度にエネルギーの出力を抑えているともいうことができます。また脱毛クリームは毛根に作用するわけではなく、皮膚表面の毛を取り除いているだけですので、しばらくすると毛が生えてくるのは当然のことでもあります。

脱毛施術の間隔

特にレーザー脱毛は、メラニン色素にレーザーを反応させていますが、毛根に十分なメラニン色素が存在することが必要です。
しかし、毛髪には毛周期と呼ばれる生え変わりのサイクルがあり、特に成長期と呼ばれる時期でなければ、毛根部にメラニン色素が多くは存在しないため、脱毛効果が減弱してしまいます。
したがって、この毛周期に合わせて施術をすることが重要になってくるのです。脱毛するエリアには、成長期にある毛根と成長期をすぎた退行期や毛が生えてこない休止期の毛根が混在しています。
施術時に退行期にある毛根が成長期に移行するまでには、場合によって数か月の時間を要しますので、この間隔をあけて次の施術をすることで、より多くの毛根に対してアプローチすることが可能になります。
なお具体的な間隔については、使用する脱毛機や脱毛部位によって異なりますので、カウンセリング時に確認しましょう。実際は一回の施術が終われば、次に施術すべき適切な時期を教えてくれます。

脱毛施術の回数

最後に、脱毛の施術を受ける回数も重要です。
これは先に説明したように、一回の施術で効果的に脱毛できるのが成長期にある毛根であるためで、毛周期に合わせて複数回の施術を行うことで、より多くの毛根に確実にダメージを与えることができるようになります。FDAの定義に「数回の施術を受けた後」とあるのは、そのためでもあります。
具体的な回数については、これも使用する脱毛機や脱毛部位によって異なりますので、カウンセリング時に確認するようにしましょう。

【まとめ】永久脱毛の定義とは?毛が生えてこなくなる仕組み(原理)を紹介

永久脱毛の定義、そして脱毛の仕組みについて解説しました。
この記事では、下記のようなことが分かったのではないでしょうか。

この記事のポイント

  • 永久脱毛は治療部位の毛をすべてなくすことを意味するものではない
  • アメリカ食品医薬品局では永久脱毛を「数回の施術を受けた後、再び生えてくる毛の数を長期的かつ安定的に減少させること」と定義している
  • アメリカ食品医薬品局で永久脱毛を提供できると認可しているのが電気を用いたニードル脱毛
  • 毛根部の毛乳頭、毛母組織、バルジ領域という3つの組織が発毛の役割を担っている
  • ニードル脱毛では、一本ずつの毛根に電気刺激を加え、毛母細胞を破壊している
  • レーザー脱毛では、メラニン色素の周囲に存在する毛乳頭や毛母細胞、バルジ領域を破壊している
  • 永久脱毛のためには正しい脱毛機の選択が必要
  • 脱毛サロンの脱毛クリームや光脱毛の機器では永久脱毛できない
  • 専門資格を持つ医師や看護師のもとで脱毛施術を受けることが安全性のために必要
  • 永久脱毛のために毛周期に合わせ間隔で施術を行うことが重要
  • 複数回の施術を行うことで、より多くの毛根に確実にダメージを与えることができる

全ての毛が永久的になくなると思っておられた方は、意外に感じられたかもしれません。しかし、実際には機械や知識がアップデートしており、必要な回数の施術を受ければ、ほとんど生えてこなくなることも可能です。
不明点などはカウンセリング時に確認し、より理解を深めて施術を受けることをおすすめいたします。

脱毛を検討中の方は、当院の担当医師やスタッフにお気軽にご相談ください。豊富な実績をもと、丁寧にカウンセリングさせていただきます。

医療法人社団雪焔会 トイトイトイクリニック理事長・統括院長 野田 知路

監修医師
医療法人社団雪焔会 トイトイトイクリニック理事長・統括院長

野田知路Noda Tomonori

福岡大学医学部形成外科、大手美容皮膚科院長を経て、医療脱毛、アートメイク、糸リフトをメインとする美容皮膚科クリニックを都内(渋谷・池袋・新宿)で展開中。

常に自分の家族ならこうしたいと考えるよう心掛け、「家族にも勧められる美容医療」を信条としています。

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