ダーマペンの針の深さと効果の関係は?ダウンタイムに違いは出るの?
公開日:2022年03月07日 更新日:2024年01月09日
人間の持つ自己修復力を利用し、皮膚の再生を促す美容法として注目されている「ダーマペン」。
細い針で皮膚に傷を付ける美容医療であることは知っていても、針の深さと効果に関係があることまでご存知の方は少ないかもしれません。
一方、美容効果を高めるためには、針の深さと効果、ダウタイムの関係を知り、自分に最適な施術であるかを判断することが大切です。
この記事では、ダーマペンの針の深さと効果の関係について解説しています。
この記事を読むことで、ダーマペンの特徴から針の深さと期待できる効果、ダウンタイムとの関係について理解でき、下記のような悩みや疑問を解決します。
こんな事がわかる
- ダーマペンの特徴について知りたい
- ダーマペンにはどのような美容効果があるの?
- ダーマペンの針の深さと効果には関係があるのだろうか?
- 針を深く打ち込むとダウンタイムが長引いてしまうのか気になる
目次
ダーマペンの特徴
ダーマペンは、束になった髪の毛よりも細い針を意図的に皮膚の表面から打ち込み、皮膚の下にあえて傷を作るペン型の機器です。皮下に傷がつくと、わたしたちの皮膚は傷を修復しようとしますが、この自己修復力を引き出すことで、皮膚のトラブルを解消することを目指しています。
傷つけられた皮膚は、修復するためにコラーゲンや修復のための成分を動員しますが、その過程でニキビの跡や傷跡、また開いた毛穴など、さまざまなタイプの皮膚トラブルも同時に修復されていきます。
この皮膚のトラブルは、それぞれ皮膚の表面からの深さと関係があり、治療対象に応じてダーマペンの針を打ち込む深さを調節することが大切です。
針の深さと期待できる効果との関係
では、続けてダーマペンを打ち込む針の深さと、期待できる効果の関係についてご説明します。
わたしたちの皮膚は、外表面から内部に向かって角質層、表皮層、基底層、真皮層と4つの層に分かれていますので、この層別に期待できる効果をご紹介します。
角質層(0.25㎜)
ダーマペンの最も短い針の深さでもある0.25㎜であれば、皮膚の一番外側の層である表皮層にアプローチすることは可能です。
角質層に針を打ち込むことで効果が期待できるのは、尋常性痤瘡(じんじょうせいざそう)とも呼ばれるニキビです。
ニキビは、皮脂が詰まった毛穴で増殖したアクネ菌に対し、炎症が起こって生じるものですが、炎症にいたる前の段階であれば、角質層までアプローチをするだけで十分な効果が期待できます。
表皮(0.5㎜)
真皮層からさらに内側には表皮が存在します。
0.5㎜の深さであれば、この表皮層にアプローチができますが、シワやたるみのうち、特に目元にできる小じわの治療は、この表皮層へのアプローチで十分な効果を実感することができます。
表皮と基底層の間(1㎜)
表皮層からさらに内側には基底層があります。
この基底層は、表皮と真皮をつなぐ役割を持っていますが、基底層の役割こそ表皮や真皮の受けた傷を修復することにあります。この基底層が機能しなくなると、表皮や真皮の受けた傷が修復されなくなってしまい、皮膚の老化が進むことが知られています。
しかし、ダーマペンで表皮と基底層の間にアプローチができると、本来の役割である傷の修復が始まり、ひいては皮膚の再生が促されるようになり、皮膚の老化予防。いわゆるエイジングケアにつながることが期待できます。
基底層(1.5㎜)
基底層にアプローチするためには、1.5㎜の深さが適切です。
この基底層は、皮膚の色素沈着と関係しています。いわゆるシミができている状態であれば、1.5㎜の深さで施術をすることで色素沈着が改善する可能性があります。
一言で色素沈着と言っても、茶褐色から黒、青など、複数の種類の色があります。一般的に基底層へのアプローチで改善が期待できる色は、茶褐色から黒色です。
基底層と真皮の間(2.0㎜)
基底層と真皮の間は、特にニキビ跡でクレーター状になった皮膚に最適です。
クレーター状になった皮膚の直下に針を挿入することで、コラーゲンが活発に分泌されますので、より効果的に傷跡が修復されていきます。
クレーター状に深い傷ができると、なかなか修復が難しく個人差がありますが、ダーマペンであれば皮膚の内側から本来あるべき状態に復活することも期待できます。
真皮(2.5㎜)
ダーマペンの針がアプローチできる最深層は、2.5㎜の真皮層です。
この層は、特に毛穴の開きが気になる場合や傷跡、ニキビ跡が残っている場合に有用です。真皮層に直接アプローチをすることで、より活発にコラーゲンの再生が促され、なかなかきれいにならなかった皮膚であっても、改善が期待できるようになります。
針の深さとダウンタイムとの関係
打ち込む針の深さとダウンタイムには、正の関係があります。つまり深さが深くなるほど、ダウンタイムも長くなります。これは深く刺すほど、皮膚の反応が強く起こるためです。
一般的には角質層であれば2日程度、基底層までであれば5日程度、真皮層までであれば1週間ほどはダウンタイムを設け、様子をみたほうがよいでしょう。ただし、この日数はあくまでも目安です。施術を受けるときの皮膚の状態や施術を行う場所によって、日数は多少上下する可能性があります。
【まとめ】ダーマペンの針の深さと効果の関係は?ダウンタイムに違いは出るの?
ダーマペンの針の深さと効果の関係性について、施術の特徴、ダウンタイムのリスクなども含めて解説しました。
この記事では、下記のようなことを理解できたのではないでしょうか?
この記事のポイント
- ダーマペンとは、細い針で傷を付けて皮膚の修復力を促し、ニキビ跡や傷跡、毛穴の開きなどの皮膚トラブルを解消する美容医療
- 皮膚は角質層、表皮層、基底層、真皮層の4層に分かれており、針を打ち込む層によって期待できる効果が異なる
- ダーマペンで最も短い0.25㎜を角質層に打ち込んだ場合には、尋常性痤瘡の改善効果を期待できる
- シワやたるみ、目元の小ジワを解消したい時には、0.5㎜の針で表皮層を刺激する治療が適している
- エイジングケア目的でダーマペンを受ける方は、表皮と基底層の間を針でアプローチすると老化予防を期待できる
- シミを解消したい時には、基底層に1.5㎜の針を打ち込むと色素沈着が改善する可能性が高まる
- クレーター状のニキビ跡でお悩みの場合には、基底層と真皮層の中間地点2㎜の深さをダーマペンで刺激すると効果を期待できる
- 毛穴の開き、難治性のニキビ跡・傷跡を解消して美肌効果を得たい時には、「真皮層」と呼ばれる表皮から2.5㎜の箇所を刺激すると効果を期待できる
- 針を深く打ち込むとダウンタイムも長引くが、最も深い真皮層であっても1週間程度で症状が落ち着くことが一般的である
ダーマペンは針を挿入する深さにより、効果もダウンタイムも変わる美容治療です。そのため、施術を受ける前に改善したい症状を医師に正確に伝えて、針を打ち込む深さを決めることが大切です。
また、ダーマペンによる施術は医療行為でもありますので、専門的な知識と技術を持つクリニックでのみ受けることができます。
メンズトイトイトイクリニックのダーマペン施術では、事前カウンセリングから施術後のアフターケア代まで無料で提供しております。
美容領域に精通した医師が在籍しているので、お肌に対する悩みを抱えている方は、ぜひ当院までご相談ください。
監修医師
医療法人社団雪焔会 トイトイトイクリニック理事長・統括院長
野田知路Noda Tomonori
福岡大学医学部形成外科、大手美容皮膚科院長を経て、医療脱毛、アートメイク、糸リフトをメインとする美容皮膚科クリニックを都内(渋谷・池袋・新宿)で展開中。
常に自分の家族ならこうしたいと考えるよう心掛け、「家族にも勧められる美容医療」を信条としています。