アートメイクとタトゥー(入れ墨・刺青)の違い

アートメイクとタトゥー(入れ墨・刺青)の違い

公開日:2021年10月11日 更新日:2021年10月11日

アートメイク

医療法人社団雪焔会 トイトイトイクリニック理事長・統括院長 野田 知路

監修医師
医療法人社団雪焔会 トイトイトイクリニック理事長・統括院長

野田知路Noda Tomonori

福岡大学医学部形成外科、大手美容皮膚科院長を経て、医療脱毛をメインとする美容皮膚科クリニックを都内(渋谷原宿、池袋)で展開中。

常に自分の家族ならこうしたいと考えるよう心掛け、「家族にも勧められる美容医療」を信条としています。

アートメイクとタトゥー(入れ墨・刺青)の違い

タトゥーと聞くと、何か特殊な人がするものと思われがちで、なかなか簡単にやってみようと思う人は限られているかもしれません。しかし、最近はお洒落としてタトゥーに取り組む人が増えていることは事実です。
同じく皮膚に色素を入れるアートメイクもありますが、こちらも最近幅広い層の方々にも注目されています。
しかし、アートメイクとタトゥー(入れ墨・刺青)が同じものだと認識しておられる方がおられるようです。
そこで今回の記事では、アートメイクとタトゥーの違いについて、できるだけ詳しく紹介していきます。

アートメイクとタトゥー

では、まずアートメイクとタトゥー(入れ墨・刺青)がどのようなものかについて解説します。

アートメイクとは?

アートメイクとは、眉や唇の見栄えをよくするため、皮膚に針を用いて色素を注入する施術を指します。化粧の一種とも考えることができます。
英語ではpermanent makeup(永遠に消えない化粧)とも呼ばれています。

タトゥー(入れ墨・刺青)とは?

タトゥーと入れ墨・刺青は基本的に同じもので、皮膚に針や刃物で傷をつけ、色素や墨を入れて文字や絵を描くことを意味します。
タトゥーは西洋的な絵や文字を彫ること、入れ墨・刺青は日本で古来行われていた彫りものを指すことが多いようですが、現在では厳密に区別はされていません。
かつては囚人を識別するために用いられていたこともありますが、現在ではファッションの一部として捉えられています。

アートメイクとタトゥーの共通点

アートメイクとタトゥーは、いずれも皮膚に傷をつけ、色素を注入するという共通点があります。
また施術時には痛みを伴いますし、施術に伴い皮膚の感染症や出血のリスクを伴うことも共通しています。

アートメイクとタトゥーの違い

それでは、アートメイクとタトゥーの違いについて解説します。

目的の違い

いずれも色素を入れることで見栄えを良くする共通点はありますが、アートメイクは眉や唇などの部位に施すことで、メイクアップの一部とすることが一般的な目的になります。
それに対して現在のタトゥーは、体のさまざまな場所にさまざまなデザインで描き入れるものであり、ファッションや自分の主張を表現することが目的で、アートとして捉えられることが一般的です。

施術方法の違い(色素を注入する深さ・注入する色素など)

アートメイクとタトゥーの決定的な違いは、施術方法の違いにあります。
アートメイクは、皮膚の浅い層である表皮層に針を刺して色素を注入します。基本的にはタトゥーに用いる色素と似たものを使用しますが、施術するところによって組成が異なりますので、施術前に確認する必要があります。特にタトゥーに用いる色素に含まれる金属元素が含まれているかどうかについては、確認しておくとよいでしょう。
タトゥーは、皮膚の最も深い層である真皮層に色素を注入します。また注入する色素には、色彩を鮮やかにすることを目的に金属系元素が含まれていることがあります。このため、注入する色素により、強力な磁場を発生させて行う画像検査であるMRI検査を受けることができなくなる可能性があります。

持続期間の違い

皮膚へ注入する深さが異なることから、両者の持続時間にも違いがあります。
アートメイクは、個人差があるものの通常は数年以内には消えて無くなってしまいます。これはアートメイクで色素を注入する表皮が、ターンオーバーで入れ替わっていくことが原因です。
なお消えてしまうことをデメリットと捉える方がおられるかもしれませんが、メイクアップの流行は変化するものですし、歳を経るとメイクの好みも変化しますので、アートメイクをやり直すチャンスがあることはメリットと考えてもよいかもしれません。
タトゥーは基本的に一生消えることがなく、擦ってもなくなることはありません。これは色素が注入される真皮層がターンオーバーしないからです。そのため自然に色素が排出されることもありません。

皮膚トラブルのリスクの違い

いずれも皮膚に傷をつけて施術しますので、感染や出血のリスクが伴います。
ただアートメイクに比べてタトゥーは深い層に傷をつけますので、皮下にあるコラーゲン組織を傷つけケロイドになってしまったり、血管や神経を損傷してしまったりするリスクが高まります。

施術者の違い

アートメイクもタトゥーも、程度の違いはあっても人体に傷をつける行為であることから、厚生労働省はいずれの行為も医師法に定める医療行為であり、医療資格である医師あるいは医師の指導下にある看護師が施術する必要があるとの見解を2001年に発表しています。

ただし2020年に最高裁は、タトゥーについては芸術性の高いものであり、医師法に反しない、つまり医師免許取得者でなくても施術をしてもよいと判断しています。
従って、現在基本的にアートメイクは医療従事者が、タトゥーは彫り師と呼ばれるアーティストが施術しています。アートメイクをサロンなどで行うと、法的に罰せられることになります。
なお国民生活センターには、医療従事者ではない方がアートメイクをしたために生じた健康被害が報告されています。

もちろん医療機関で実施しても皮膚のトラブルは発生することはありますが、トラブルが発生しても医療機関ではトラブルが解決できるまで対応してもらうことが可能です。

【まとめ】アートメイクとタトゥー(入れ墨・刺青)の違い

アートメイクとタトゥーについて、その共通点や違いを解説しました。
特にアートメイクはメイクの一部として顔に行うものですから、できる限り安全に施術を受けたいものです。そのためには、しっかりとした施術実績のある医療機関を選んで、納得して施術を受けたいものです。